新米学校司書がゆく!ぎばのブログ

本のページをめくるように、日々をワクワク過ごしたい。

学校司書始動にむけてあと一か月!準備と楽しいランチ会

こんにちは、ぎばです。最近雨多いですね。私は天候にメンタルを左右されるたちなので、窓の外をみては暗澹たる気分です。洗濯は乾かないし、なにより寒い。寒いのは辛い。辛いのはきらいです。

 

突然ですが、このごろ”麹”にはまっています。

市販の塩麹は以前から使用していたのですが、スーパーで乾燥麹を買ってきて色々と作っては瓶詰めし、料理などに活用することに精を出しているというわけです。これまで玉ねぎ麹、しょうゆ麹、甘酒を作りました。甘酒はたくさん作って、毎朝ゆのみ半分ずつ家族で愛飲しております。体がぽかぽかと目覚め、なんとなくお肌にも良いような。これぞまさしく日本人の知恵ですね。続けられる範囲で続けていきたい。次はきのこ麹もいいなぁ、と考えています。

 

学校司書 書類送付の巻

本日ようやく書類が整い、簡易書留で送る予定です。ざっくりと内容は、

  • 住民票
  • 給与支払い口座に関する書類(通帳の写し)
  • 職員証作成用書類(顔写真添付)
  • マイナンバー提出書類(マイナンバーカード写し添付、封入の上)
  • 横浜市職員厚生会加入意向書
  • 年金手帳写し

等々。いずれも正式名称ではなく、ほんのメモ程度に書き連ねたため悪しからず。

確認して封筒にいれ、糊付けしようとしたら自宅のアラビックヤマトがカラカラで、中のふたを開けて爪楊枝でなんとか集め塗布しました。13日必着とのことでしたが、今日郵便で出してしまいたい!という一心で。あとは郵便局に行くだけ。早く雨やんでちょうだい。

 

通勤経路で大いに悩む

配属校が決まり、いまは通勤経路についてとても悩んでいます。

というのも以前書いた通り、自宅から駅まで遠いのです。徒歩25分というのは、都会あるまじき距離だと思います(そのため自宅周辺は全く都会ではない)

自転車で駅まで行き地下鉄に乗るのが最速&確実なのですが、駐輪場がいつも混んでる!一時保管場所は、利用したい日の2回に1回は満車という状況です。

すぐに定期駐輪の申請をしに行きましたが、すでに10名ほど補欠がいるとのこと。とりあえず4月からすぐの利用は難しいようでした。

となると、バス停まで10分かけて歩き…近くの大きな駅まで10分ほどバスに乗り…その後またバスか地下鉄…ということになり、所要時間がかかる上に遅延などの心配が出てくるのです。本当にどうしよう。

しかもまだ始業時間が分からないので、娘が家を出る時間よりも早く出発しなければならない可能性もあります。小学3年生で、ひとりで、時間に遅れることなく、戸締りなどをして家を出ることが果たして可能なのか…?いろいろな意味でドキドキです。

 

服装・備品については随時準備中

必要と思われるものを少しずつ揃えています。

最近の購入品はこんな感じ。

  • エプロン(とりあえずLAKOLEのキャンバス地エプロン)
  • 室内用シューズ(紐なしの柔らかいウォーキングシューズ的なやつ)
  • 手帳(学校予定把握用に)
  • ノート(研修用)
  • 印鑑(仕事用として)

あとは、筆箱の中身をそろえたり、家にある付箋など使えそうなものをまとめています。夫が就職祝いにTHERMOSの蓋つきマグをくれたので、これも持っていく予定ですが、職員室ってポットとかあるのかなぁ。

 

これから購入したいものは…

  • 通勤バッグ
  • 通勤服

 

前職はユニフォーム貸与だったためラフな格好で通勤していました。デニムにスニーカーはもちろんのこと、夏場は派手なスカートを履いて行ったり、サンダルだったり。しかし学校司書は私服です。しかも教育現場。カジュアルにも限度があるでしょう。でもスーツというわけではない。

とりあえず、テーパードパンツのようなボトムスと、シャツ(ブラウス)、無難なカットソー、カーディガンなんかを探しに行きたいなと思っています。GU、UNIQLO無印良品などのサイトを物色中。普段そういう格好(オフィスカジュアル、キレイ目コーデ)をほぼしないので、この買い物はちょっと楽しみ。

学校司書というお仕事を教えてくれた恩師に服装の話をしたところ、「なんでもいいけどおしゃれにしてください。スカーフまいたり、ブローチつけたりね。読み聞かせる本の内容に寄せた服装もいいな。子どもたちにとって図書室は、教室とは違う憩いの場所でもあるんだから、明るくて楽しい気分になるようにしてあげて」とのこと。なるべく小綺麗にして、親しみやすい図書室のおばちゃんになれたらいいなぁ、と思っています。

 

恩師&親友とランチ

昨日、恩師と親友と三人でランチしました。親友は、その恩師の下でも一緒に学び遊んだ仲でかれこれ25,6年の付き合いになります。私と先生は昨年の夏以来の再会であり、先生と友達はほぼ10年ぶりの再会となりましたが、顔を合わせれば誰一人変わっておらず、当時の面影のままわいわい楽しく盛り上がりました。

おしゃべりに花を咲かせること3時間(7割方先生が喋っていた)、お店の方に「閉店します」と告げられ解散しました。

先生からは、

「あなたが学校司書になってとてもうれしい。応援しています。いつでも気軽に連絡してね」

と言われ、親友からは、

「本当にイメージにぴったりの仕事でよかったと思う。やりたいこともたくさんあって、すごくいいね!」

と言われて、ますます「やるぞ!」という気持ちがみなぎりました。

いまは本や図書館の知識もほぼなく、ただの本好きなおばさんにすぎませんが、ちゃんと勉強して一日でも早く一人前の仕事ができるようになりたい!闘志を燃やす今日この頃です。

 

それにしても、先生のお話の上手なこと。聞いていて笑いが止まらず、小学校時代を思い出しました。その先生は5.6年次の担任だったのですが、月曜日の1時間目は雑談で終了してしまうくらいよくしゃべる先生で、しかも話がとても面白いので、週の初めのけだるい教室があっという間に温まるのでした。チャイムが鳴ると、我に返った先生が「あ!終わっちゃったよ。算数できなかったじゃない!」などと言い、授業より先生の話の方が楽しい私たちは「やったー!(授業つぶれたー!)」と言って5分休憩に入る。そんな日も少なくなかったよなぁ、と懐かしく思い出しました。他にも楽しいことをたくさん経験させてもらい、感謝感謝です。これから楽しい小学校生活の一端を担う側として、私も尽力していきたいです。

 

今日は本の話ありませんでした。娘は『森おばけ』を読破したそうです。また今度書きます。

 

 

 

大人だってファンタジー:有頂天家族に入りたい

こんにちは、ぎばです。

まだかまだかと待ち続け、ようやく昨日、配属校が決定しました。

ひそかに希望していたとおり小学校で勤務することになりました!

提出しなければならない書類が山のようにあり、今日はこれから書類作成です。

通勤経路を調べると、最寄り駅から二つしか離れていないのにどう頑張っても3~40分はかかりそう…。家が駅まで遠いのと、駅から小学校がまた遠いためです。これは早起き頑張らなければ。夫や娘の協力も必須になりそうです。その分も頑張ろう!!

 

3月に入り、専業主婦として暮らすのもあと1か月となりました。

ずっと「早く働きたい」と思っていたけど、いざカウントダウンが始まるとちょっぴり惜しいです。時間があるうちにあれもこれもやりたいけれど、そうこうしているうちに4月になってしまいそう。悔いなく過ごしたいと思います。

 

さて、先日、図書館カードを忘れて本が借りられなかったことを書きましたが、昨日友人から突然LINEがきて、「カードがなくても、横浜市のサイトにログインすればケータイだけで借りられるよ!」とのことでした。突然だったので一瞬「?」と思ったのですが、ブログをみてその件だけ教えてくれたのでした。ありがとう!見てますか?笑

 

私が借りられなかった本は、その次の日に娘が学校で借りてきました。

「『リンゴの木の上のおばあさん』は誰かに借りられてたけど、『森おばけ』はあったから借りてきた。読んでみる!」と。

メモも取らずによく本のタイトル覚えられるなぁ。図書の先生にあるかどうか聞きに行ったそうです。

今朝、読み始めたというので、「(おばけたち)もうお引越しした?」と聞いたら「まだ」と。

「ママが子どもの頃はさ、自分の教室にも(おばけが)いるんじゃないかな~なんて思ってドキドキしたなぁ」と言ったら、「教室にお引越しするんだ…。」

 

はっ!しまった…

 

「ネタばれしてごめん;」

と謝りました。まったく、こんなんで学校司書だいじょうぶかなぁ。

 

 

昨日は予定がなかったので、久々に自分の本棚から本を選んで読むことにしました。私は、洋書と時代物を除きますが、割と広いジャンルの本を読みます。昔読んでしばらく開かなかったものも、久しぶりに読むとまた違った味わいがあるものです。

 

江國香織さんや角田光代さんの描く恋愛小説にしっとりと心を濡らし、頭の冴えている日やがっつり読みたいという日は湊かなえさんや宮部みゆきさんの心理サスペンスでドキドキする。喜多嶋隆さんの本はさわやかな気持ちにさせてくれるし、さくっと読みたいときは東野圭吾さん。大人になってからはエッセイなども読みます。群ようこさんの辛口な文章に「そうそう。わかる!」と頷き、東海林さだおさんの書く美味しいものたちによだれをたらすといった具合です。他にも、作家さんで選ばず、本の装丁やタイトルが気になったものは読むようにしています。日本文学科卒として近代文学も多少はたしなみ、夏目漱石はほぼ全作品を文庫で所持しています。やっぱ吾輩は猫であるだよね~。めっちゃ長いけどいつ読んでも面白い。めっちゃ長いけど(二度目)

自分の本棚から本を選ぶのって、おしゃれな人がクローゼットを開けて「今日は何着ようかな~」と考えるのに似ているなぁと思うのです。季節や天気、気温、お出かけのシチュエーションやその日の気分に合わせて選びますよね。私は服はいつも同じような格好をしていますが、本を選ぶときは結構考えます。今の気分はこれ!今日のお供はこれ!って。

 

そして、私がいまなにを読んでいるかというと…

 

有頂天家族』 森見 登美彦 作

 

京都に暮らす狸の一家のお話です。登場するのは主に、狸、天狗、わずかな人間のみ。いいですか、これは絵本でも児童書でもありません。のちにアニメ化はされたようですが、もともと子供向けに作られた作品ではないのです(たぶん)。それを私は、社会人になるかならないかぐらいの時に、真面目に読んで面白がっていたのです。

 

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー!(『有頂天家族幻冬舎文庫 背表紙よりあらすじ)

 

大学生の頃、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』に出会い大はまりしました。ほんとにくだらない(すみません)のになんか面白い。そしてとっても愛がある。

 

子ども向けのファンタジーは、おはなしの世界を一緒に浮遊して、読み終わるとじんわり心が温まり、夢のような不思議な感覚がほっこりと残ります。そう、例えば『森おばけ』はそんなお話です。

それに引き換え、『有頂天家族』という大人向けファンタジーには、どぎつい、きたない、なさけない、ような表現もたくさん出てくるため、ふわ~とした優しい気持ちにはなりません。読み始めると、うわぁ~ってなってぐるんぐるん回されて、あっちこっちぶつけながらひぇ~ってなって、だんだん速度と温度が上がっていって、最後はぽいっとたたき出される感覚です。でも痛くないし、辛くない。それになんだか心があつあつに湯気を立てている。「なんだったんだ…?ま、いっか」てなもんです。

 

まあ、この二冊(森おばけと有頂天家族)をわざわざ比較することはないのですが、とにかく大人向けのファンタジー小説。疲れている人におすすめです。あまりにバカバカしすぎて読み進めるのが辛い、という人は、本当に疲れきっているのだと思うので、早めに布団に入って寝てください。

 

夜は短し歩けよ乙女』 森見 登美彦 作

:冴えない男子大学生と、彼が想いを寄せるサークルの後輩女子が、不思議な珍事件に巻き込まれていく。男女が交互に語るスタイルで、恋愛小説ではないところがミソ。

 

Mochiguma Translations

『恋文の技術』森見 登美彦 作

:様々な登場人物たちが、互いに送り合う手紙だけで成立している小説(書簡体小説というそうです。)手紙のやりとりだけでちゃんと物語が進行していく。こっそり盗み読みしているようでとても愉快。三島由紀夫の『レター教室』に通じる印象です。

 

 

 

 

「きみは、うつくしいねえ!」byエルマー

こんにちは、ぎばです。

花粉が飛んでいます。目も鼻もやられて、なんだかぼんやりな今日この頃。

学校司書の配属校決定通知はまだ届きません。家のポストを開けたり閉めたりと落ち着かない日々です。

 

先日、本を返却するため公立図書館へ行きました。その後、読みたいと思っていた本を探し出して貸出カウンターへ向かうと…図書館カードを忘れてきたのでした。そのまま踵をかえし、本を棚へ戻します。これ初めてじゃないんです。たまにやります。もうね、ほんとにほんとに、ほんっとーに悔しい!バカバカ!自分のバカ!ってなりますね。

 

その日借りたかったのに借りられなかったのはこの三冊。

『ぼくは本を読んでいる。』 ひこ・田中 作

:学校司書の方が書いている本で、お気に入りの一冊として紹介されていた児童書。思春期(中学生かな?)真っ只中のこどもたちが主人公。はじめだけ少し目を通したが、会話も多く読みやすそう。

 

森おばけ : Rieko Nakagawa | HMV&BOOKS online : Online Shopping ...

『森おばけ』 中川 李枝子 作 / 山脇 百合子 絵

:森にすむおばけの家族が、ひょんなことから小学校の教室にお引越しするというお話。実際、自分が小学2年生ぐらいの時に学校図書館で借りて読み、そのほのぼのとした世界観とおばけたちのかわいらしさ、教室で大騒ぎする小学生たちのやりとりが印象的で心に残った作品。ぐりとぐらの作者さん。娘にも読んでもらいたいと思っている。

 

『リンゴの木の上のおばあさん』 ミラ・ローベ 作 /塩谷 太郎 訳

:自分にはおばあさんがいない、と寂しく思っていた少年の前に、突然現れるなぞのおばあさん。二人は楽しい時間を一緒に過ごしますが…的なお話だったと思う。これも小学2年生ぐらいの時に学校図書館で借りて読み、温かくて不思議な気持ちになった記憶がある本。内容を覚えていないので、もう一度読んでみたいと思っている。

 

次は、間違いなく借りてきて読みます。読んだら感想載せます。

 

 

先日、『エルマーのぼうけん』に感動した娘からおねだりされていた二冊を購入しました。

 

これで3冊揃いました。りゅうがカワイイ!!

★『エルマーとりゅう』

とらわれたりゅうを助け出し、空を飛んでエルマーの家まで帰るつもりだったふたりですが、突然の嵐に見舞われてある島にたどり着きます。そこにはたくさんのカナリヤが住んでおり、皆ある病気に困っているというのです。そこで、エルマーはカナリヤの力になってやることに決めるのですが…。

 

前作では最後に少し出てきただけの、こどものりゅうのかわいらしいキャラクターがはっきりと描かれています。しっかり者のエルマーだってまだまだ9歳の子ども。早く家に帰りたいが無事に帰れるかわからない不安と、知恵を働かせてぼうけんする面白さとの狭間で揺れ動く気持ちが、読む人の共感度を高めます。「ふたりともめっちゃ頑張ってる!すごい!えらい!」と、誇らしいような面映ゆいような気分になった1冊です。

 

★『エルマーと16ぴきのりゅう』

エルマーを無事に家まで運び、お別れしたりゅう。さあ、自分も大勢の家族が待つすみかに帰るぞ、と元気よく飛び立っていきますが、途中で人間に見つかりそうになったり、危ない目に合いながらようやくたどり着きます。するとそこには大勢の人間がいて、りゅうの家族たちが捕らわれそうになっているではありませんか。家族を助けなきゃ!エルマーの知恵と力を借りよう!そう思いついたりゅうは、エルマーのもとに急いで戻ります。果たしてふたりは無事に再会できたのか、また家族を救出することはできるのか!?

 

3作目はりゅう目線になります。ふたりの友情や、それぞれ家族を思う気持ちなどが描かれています。この作品にはたくさんの大人が出てくるのですが(りゅうを見かけたり、捕まえたりしようとする)大人たちの欲深さが描かれることによって、エルマーやりゅうの子どもらしい純真さが際立ちます。

 

どちらも一気に読んでしまいました。

全体的に日本語が美しい。子どもがわざと大人びた言葉を使う感じや、ちょっとしたセリフのあどけなさに、読みながらついにっこりしてしまいました。イラストの独特な立体感も好きです。

 

りゅうは、大きな体と鮮やかな色彩に似合わず、おっとりとして穏やかな性格をしています。大きいのでたくさん食べますし、元気が出ないときはぐうぐう眠ってしまうのですが、それが我が家にいるわんこ(ゴールデンレトリバーの男の子です)にちょっぴり似ているようで、なんだか愛着がわきました。エルマーとりゅうのように、娘とわんこには二人だけの世界があるような気もします。2週間もどこかに行かれるのは心配なので困りますが(エルマーは2作目の最後で2週間ぶりに帰宅します)、子どものうちにぼうけんはたくさんしてもらいたいですね。

 

これを読んでいるあなた。そう、あなたですよ。:かいぞくポケットとぼくは王さま

こんにちは、ぎばです。

昨日は娘がまた学校図書館で本を借りてきました。

 

それ見たことあるけど読んだことない!と思わず叫んだ

娘が習い事に行ったすきにちょっと拝借し、読みました。そして夜、

「ママ、ポケット読んだよ~」

と言ったら、

「私より先に読まないでよ!」

と怒られました。

あと、本を開いた状態で伏せていたのを見られ、「その本の置き方はだめだよ。ちゃんとしおりを挟むか、ページを覚えるかして」と注意されました。その通りです。本が傷んでしまうのでやめましょう。ダメ、ぜったい。

 

ポケットは子どもの海賊です。ジャン、ケン、ポンという三人の手下と、アイコという猫と共に船で旅をしています。そんなある日、人が乗ったいかだを発見。その人は大学教授で、”魔女学”を研究しているとか。魔女のほうきがなぜ飛べるのか、どのような材料を使っているのか調べているというのです。話を聞くうちにポケットたちはあることに気づき、不思議な人魚の森にまよいこみます…

 

この本には面白い仕掛けがありました。章の終わりに、作者から読者に向けて様々なことを呼びかけるのです。

 

魔女のほうきのえだなど、あるのだろうか?ガンガラムティの島は…?きみもそれをしりたいだろう。しりたかったら、ここで、ほうきをもって、じぶんのへやをそうじしなさい。きれいになったら、つぎをよんでよろしい。

(『人魚となぞの木』より)

 

突然の呼びかけに、読んでいた子どもはびっくり&くすりっ。まるでその物語の中に、自分も仲間入りしているような気持ちで次のページを開くことができます。

 

初めて読んだのが9巻目だったためか、前作で書かれていそうな設定がちらほら見えました。猫のアイコがどこから来たのかとか、なぜポケットだけ子どもなのかとか。

全体的にかわいいイラストと、個性的な登場人物で、小学校低学年には読みやすそうだなぁという印象でしたが…寺村輝夫さんといったらやっぱり王さまです。何を隠そう、私は王さまシリーズの大ファン。あの、ひげの生えた王さまがやっぱり大好き!

これこれ!このイラストもかわいいのです。

知ってる!読んだことある!という人も多いと思います。寺村さんは、1956年に初めて『ぞうのたまごのたまごやき』を発表され、ぼくは王さまシリーズが初めてのシリーズ作品なんだそうです。その後、かいぞくポケットやわかったさんなども執筆されていますが、私はもうその時には対象年齢じゃなかったのかしら、ほかのシリーズはほぼ読んだことがありませんでした。

 

この王さま、ひげも生えてますしおそらく大人なんでしょうけど、ほんとうにこどもみたいなんです。わがままで、いばりんぼうで、くいしんぼうで、勉強は大嫌い。卵料理が大好きで、いつも家来たちに文句ばかり言っています。でも、大臣やそうじのおばさんなど、王さまのわがままに負けない手強い家来も多く、王さまに対して至極もっともなことを言ったりするのが面白い。そしていつもいつも、王さまのわがままでとんちんかんな振る舞いが、妙な事件を巻きおこしてしまうのです。単純明快ハッピーエンドかと思いきや、星新一さん的な不気味さの残るお話などもあり、夢中で、何度も読みました。

 

あなたがよくしっている、王さまの話です。

たまごのすきな、王さまです。たまごやきなら、一日に五つでも六つでも、喜んで食べるのです。

ところが、やさいが大きらい。とくに、たまねぎと、ピーマンと、にんじんは、サラダの中に一かけらはいっていても、

「こんなまずいもの、食べられるか。」

と、おさらごとほうりだしてしまいます。

だれかさんに、よくにている王さま。

(『ぼくは王さまごちそうコレクション』ガルメ星のどく より)

 

”あなた”や、”だれかさん”など、王さまシリーズでも、読み手を仲間に入れてくれるような書き方が見られます。この感じがとても嬉しいんですよね。読んでいて思わずにやりとしたくなる。物語がぐっと身近に感じられ、もっと読みたいと夢中になるのでしょう。

 

よく聞く「最近の若者は―――」ではありませんが、最近の絵本や児童書は、とってもとっても優しい世界が描かれているものが多いような気がします。よい子、よい人、愛のある物語、大丈夫だよ、愛しているよ、きらきらでふわふわ…もちろんそれも大事。特に乳幼児期は、そういう温かいイラストや物語に触れることで心を豊かにするでしょうし、安心感や情緒を育むだろうと思います。でも、ある程度自分で文字が読めるようになってきたら、あえて意地悪な世界に足を踏み入れておくことも大切ではないでしょうか。

 

わがままな主人公が鼻をくじかれたり、ちょっぴり怖い目にあって反省したり、失敗して泣いたり怒ったり。友達と喧嘩したり、傷つくことを言ったり言われたり…。昔読んだ子どもの本の中には、とても怖い話や救われない話も結構ありましたし、読んだ後で考えさせられるような重い話も普通にありましたよね。大人になるにつれ、読書の世界ももちろんですが現実世界も難しくなっていきます。人間関係が複雑になり、ひとりひとりの個性や能力がはっきりしてきて、挫折したり悩んだりすることも増えます。そんな時、ずっときれいで優しい世界にだけいた子どもは、何もない崖下に急に放り出されることになって人一倍辛いと思うのです。だから絵本や児童書を通して、様々な経験をしてほしい。小さな意地悪や失敗、ちょっぴり怖いことを読書を通して経験していると、心の中に少しずつ階段が作られていって、やがて大人になって現れる崖を登るのが少し楽になるような気がするのです。

 

王さまシリーズは大人が読んでも面白いです。久しぶりに読んだとき「え、こわ…」と思いましたが、それがくせになるのでしょうか。あと、無性にふわふわのオムレツが食べたくなります。そう、だれかさんみたいにね。

 

 

 

 

エルマーってぼくのことじゃないよ。ぼくのとうさんなんだよ。

こんにちは、ぎばです。

雨の降る日に、家の中からその様子を眺めているのは気持ちが良いですね。

出かけなければならない場合は別ですが。

今日はわんこと引きこもりになりそうです。

 

先日、娘が突然「もし、おさしつかえなかったら」という言葉を何度も口にしていて、

「なにそれ。どうしたの?」

と聞くと、

「『エルマーのぼうけん』に出てきたんだよ」

とのことでした。

 

意味は分かる?と聞くとわからないと言うので、差し支えるは都合が悪いとかそんな感じで、”さしつかえなかったら”は”都合が悪くなければ(よかったら)”みたいな感じかなーと教えると、「今度学校で使ってみる!」と言っていました。友達びっくりしちゃうな!

 

そして、

「エルマーのぼうけんめっちゃおもしろい。続きも欲しい!」

と言われ、私はほくほくでした。いいともいいとも、買ってあげるとも。

 

なぜなら、二年ほど前に買って読み聞かせたのですが、そのときまだ幼稚園児だった娘にはさっぱり響かず…それきり本棚にしまわれていたのです。現在小学2年生。ようやく自分で手に取り、読んでみて面白いと思えるようになったのね、と成長を感じました。

 

はじめに口をきいたわにが、のそのそあがってきて、キャンデーをなめました。

「うまい、とびきりうまい!」

「さあ、もし、おさしつかえなかったら。」

と、エルマーは、いいました。

「あなたのせなかの上にのせていただいて、しっぽのさきに、わゴムで、二本めのキャンデーをくくりつけたいんですけれど、よろしいですか?」

「いいとも、いいとも。」

と、そのわにが、こたえました。(『エルマーのぼうけん』より)

 

「あとね、おもしろいんだよ」

「なにが?」

「キャンディーじゃなくてキャンデーって書いてあった」

まぁ…古い本だからね。あるあるだよね。

 

 

『エルマーのぼうけん』1963年初版ですって。いまも色あせないものがたり。

 

本から学ぶ言葉って、すんなり自分の中に入ってきます。

私もたくさん本を読んでいたためか、子どもの頃から「大人みたいなこと言うわね」と母や先生たちに言われていました。大変生意気だったという自覚はありますが、新しい言葉は使ってみたくなるし、使うことでしっかりと自分のものになっていった気がします。

 

近代文学などを読むと、もうわからない言葉だらけですよね。なぜ、たった100年、150年前の小説がこんなにも難しいのだろうと不思議に思いますが、日本語はそれだけ変化している。変化が進化であれば悪いことではありませんが、退化の部分も大いにあるなと感じます。昔の日本語というのは実に奥ゆかしく、熟語もその場面や感情にしっくりとくる言葉がたくさんあって、そういう言葉たちを知った上で現代を生きていきたいものだなぁと切に感じます。

 

そういうことから、現在娘の日本語検定受験に向けてゆるゆると準備中。

私は大学生の頃に2級を取得したのですが、娘はもちろん検定試験というもの自体が初めて。いい経験になると思い、いちばん初めの7級を受験させる予定です。本人にも簡単に話をしましたがやる気満々!鉄は熱いうちに打て!です。

 

日本人に生まれたからには正しい日本語を知ってもらいたい。

試験を受ける緊張感や、合格(できたら)する喜びを感じてもらいたい。

6月の試験に向けて一緒に頑張ろう!

 

 

 

ちなみに私は、張り切って1級のテキストを購入したもののどえらい難しく…え?なにこれ無理くない…?

 

やる気低迷中です。すみません。

 

 

春はあけぼのよっ!――素直な本を読もう。

こんにちは、ぎばです。

今日は春一番が吹くそうです。とっても暖かい。

大好きなサンドウィッチマンさんのラジオをradikoで聴きながら、家の掃除をしてマフィンを焼きました。チョコレートのいい匂い。最近甘いもの食べたい欲を満たすために手作りお菓子にはまっています。もちろんホットケーキミックスさまさまですが。

 

そういえば、大河ドラマ紫式部の物語をやっていますね。高校生の時、漫画のあさきゆめみしが流行り、友達に借りて全巻読みました。白黒のイラストで、当時の髪形や装束がみな似ているため、どれが誰なのか途中で分からなくなるという…

 

あさきゆめみし平安時代のラブストーリー

大学時代は文学部日本文学科で近世を専攻していたのですが、源氏物語の講座もとり少し学びました。おもしろかったなぁ。また機会があれば勉強したいものです。

大河ドラマのほうは色々と突っ込みどころが多いものの、一応観ています。ただ、清少納言の登場がよかった。ファーストサマーウイカさん演じる清少納言は、私の中のイメージにぴったりだったのです。思わず笑ってしまいました。

 

というのも、高校生ぐらいの時に父が買ってきてくれた枕草子REMIX』酒井順子 作)が大好きで、いまだに手元に置いているのですが、私はその清少納言さんのファンなのです。

この本はもちろん枕草子から抜粋された原文とその訳文が掲載され、酒井順子さんの楽しい解説も入り、至極真面目な本なのですが、なんと作者と清少納言の対談(!?)も書かれています。

頭脳明晰でプライドが高く、好奇心旺盛で強気、夢見る少女でもありおてんばで、ちょっと意地悪で感受性豊かで…この本に描かれる清少納言は、学校の授業で学ぶ彼女とは違い、実在した人物なのだなぁと実感することのできる生き生きとした女性です。古典文学にそもそも敷居の高さを感じるような人がいれば、ぜひおすすめしたい一冊です。

 

枕草子REMIX』わかるわー、と女子会してる気分になれる一冊

 

昨日はまた隙間時間で図書館へ行きました。

あまり時間がなかったのでお目当ての児童書探し。葦原かもさんの『うみのとしょかん』という本が面白いときき読みたかったのですが貸出中で…代わりに同作家の『とどけ、サルハシ!』という本を立ち読みしてきました。

 

主人公のりょうは、図工の時間にうっかり友達の絵を汚して泣かせてしまいます。わざとじゃないのに先生に怒られて、みんなからもはやしたてられ、上手に謝れずに校庭に飛び出していくと、突然しゃべるテナガザルが現れて…というようなストーリーで、このあと主人公は不思議な体験をするのですが、これがシンプルに良かった。

 

わざとじゃないけど悪いことをしてしまった時、素直に謝れないことありますよね。

また、わざとやったと決めつけられて悲しい気持ちになることも、うまく説明できない子どもの頃はあったなーと思います。

友達とは仲直りしたい。けどどうしたらいいかわからない。そんな気持ちがやさしく描かれていました。

対象年齢は小学校低学年となっているため漢字にフリガナがふってありましたし、イラストもたくさん入っています。娘にもおすすめしましたが、さっそく学校図書館で探してみると言っていました。

 

ラストは仲直りできて心もすっきり笑顔にっこり。ありがちなストーリーだけど、はじめて児童書を読み始める子どもたちには、ぜひこういうお話から読んでもらいたい、そんな一冊です。

 

『とどけ、サルハシ!』りょうの思いは届くのか・・・?!

 

学校司書受験への道!②~面接、それから~

今朝、わんこの散歩のとき、梅にうぐいす(のような鳥)が遊んでいるのを見かけました。青空に富士山、白い校舎にリコーダーの音色。春が来るんですね。

 

今日はボランティア最後の読み聞かせでした。

教室の前に行くまでずっと読む本を迷い続け、直感に任せて『歯いしゃのチュー先生』を選んだのですが…読み聞かせは10分間と決まっており、本がまあまあ長かったので途中からチャイムが鳴るのではとドキドキし、ちょっと早口になってしまいました。反省。終わった後、「悪いのはきつねだけど~…」と感想を口にしてくれる子の姿もちらっと見受けられましたが、時間を気にしていたのでは良い読み聞かせはできませんね。娘の進言を聞いて『おちゃのじかんにきたとら』にすべきだったかなー。

なんとも冴えないラストとなってしまいました。

 

昨日の続きで、学校司書面接について書きます。

 

時間になったら入室してください

面接の集合時間が記載されていたため、なんとなく、広い部屋に数名集められて順番に呼び出されるイメージでいました。

時間より少し早く到着すると、市役所の上階にあるきれいなお部屋で待つよう言われましたが、誰もやってきません。やってくるのはみな役所勤めの方のようで、首からプレートをさげ和やかに談笑しながら通り過ぎていきます。

結局、時間で呼ばれるまで私一人でした。一人ひとり個別に日時を設定しているのかな?

 

はじめ、机が一つだけあるような小部屋に通されました。

机の上にはアンケート用紙、雇用条件などについて書かれた書類、ボールペン、置時計。

「こちらのアンケートにご記入ください。〇分になりましたら回収します。」

女性職員の方が近くに待機する中、アンケートに記入しました。

「そちらの雇用条件について書かれた書類は前年度用ですが、ご参考のためお持ちください。では席を立ってください。」

そして、机に置いてある時計をさされ、こういわれました。

「面接は隣の部屋で行います。時計が〇分になりましたら、ノックをしてご入室ください。その後、受験番号と氏名を言って着席してください。」

ひえー。

新卒採用時を思い出しました。今思えば、この時間が一番緊張していました。

 

時間になったのをみて、隣に立っている女性職員の方に目配せし(入っていいですか)、ノックをして入室。面接官は男性二名でした。物腰柔らかく、はじめから最後までにこやかだったため、とても話しやすかったです。

 

まずは3分間で図書の紹介を。時間はちゃんと計られています。3分を過ぎると合図されるということでしたが、時間内に終えることができました。

その後面接が10分程度。志望理由や、学校司書としてどのような取り組みをしていきたいか、図書ボランティアのことなども聞かれました。また、インターネットを利用した検索と図書での検索の在り方のような、少し考える質問もありました。ほとんどが図書の仕事に関わる質問で、自己紹介や過去の職歴説明、長所と短所などについて想定していたようなことはなにも聞かれませんでした。

最後に、「学校司書になって、一番楽しみなことは何ですか」と聞かれ、明確な答えを用意していなかったのですが、自分が小学校の図書室のカウンターに立っているところを想像してこう答えていました。「子どもたちの純粋な気持ちに触れることです」

本を通してどう感じたか、何を知ったか、驚いたりおもしろがったり感動したりするであろう、そのリアクションを期待し、それを引き出すための仕事であると私は理解してるんだな。改めてそう思えた瞬間でした。

 

面接後はもうふわふわして、やりきった、頑張った、と100%自分を褒めてやりたいような気分でした。ご褒美に、ちょっと素敵なレストランで一人でランチしました。

でも…人と会話した後、あの時なぜああ言ったんだろう、こう言えばよかったなどと落ち込む性格が災いし、翌日は落ち込んで落ち込んで…準備していたあれやこれやを出し切れなかった、もっと伝えたいことがあったのにと夫にウジウジ訴えたのはここだけの話です。

 

面接結果は1月末までに、とのことだったので、クリスマスやお正月を楽しく過ごし、1月中旬ごろからドキドキそわそわ。だめなら就活しなければ、とか、ネガティブな気持ちを押し殺し、結果を受け取ったのは25日頃でした。

うすっぺらな封筒1通。だめだったかな…と早くも凹みそうな気持で開封すると、合格通知でした。何度も読み返し、間違いないことを確認して、やったーと一人キッチンで万歳しました。わんこが不思議そうに見ていました。

 

そしていまに至る

それから今に至ります。配属校や健康診断、研修の案内は今月中にくるというので首を長くして待っているところです。学校が決まれば、今度は通勤経路を調べたり、実際に行ってみたり、必要なものを準備したりと動き出せるのですが、今はまだのんびりしています。

公立図書館で学校司書に関わる本を借りてきて読み、想像を膨らませたりしながらすごす日々。まずは4月から始まる研修が楽しみでなりません。

 

『子どもが本好きになる瞬間』(五十嵐絹子 作)がとても面白かったので載せておきます。実際に学校司書を40年間も務められた方の著書で、その学校であった子どもたちの話がわかりやすく書かれていました。学校図書館に通う子どもたちの生き生きとした表情を垣間見るようで、やりがいと責任のある仕事だなと改めて感じました。

 

『子どもが本好きになる瞬間』

私は正直に言って、子どもが大好きというわけではありません。

うるさいし、めんどくさい時もあるし、わけのわからんことをするし、家でも娘にはしょっちゅう怒ったり小言を言ったりしています。

子どもって無垢で天使でなんて可愛いんでしょう!みたいな気持ちには全然なりません。

 

でも、子どもっておもしろいな、とは思います。

かつて自分も子どもでしたし、その時の記憶も部分的にはあるので、一緒にいて理解できる部分もある。一方で、大人になってしまったがために忘れて(失って)いたり、時代の変化で昔は感じ得なかった部分に改めて気づかされたりすることもあるんですよね。それが面白い。

 

なので、新しい仕事は今まで以上に楽しんで頑張りたいと思っています。

時には「コラーッ!!!」と叫びたいこともあるでしょうけどね。