新米学校司書がゆく!ぎばのブログ

本のページをめくるように、日々をワクワク過ごしたい。

初めて読んだ”さんすうえほん”の魅力『ひとつぶのおこめ』

こんにちは、ぎばです。

昨日は、初めて配属校まで行ってきました。通勤時間徒歩10分だった前職と比べたら大変ですが、慣れれば大丈夫そう。途中に素敵なパン屋さんがあって、お昼ごはんに購入しました。おいしかった。

見慣れぬ街の見慣れぬ小学校ってなんだか不思議です。門から中を少しのぞいて、あまりウロウロしていると不審なので帰ろうとしたところ、校外学習帰りの小学生たちに遭遇し挨拶しました。一か月後にはこの子たちに本を読んだりするのかなぁなどと思いながら。

 

今日は、ずっと気になっていた絵本を娘に読み聞かせてみました。

 

『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』 デミ 作 / さくまゆみこ 訳

光村教育図書 2009年第一刷 2021年第十二刷

 

インドのむかしばなしです。自分のことをかしこいと過信していたある王さまが、村人の作った米を飢饉に備えるといって毎年とりあげていました。何年か経ったある年、本当に飢饉に見舞われましたが、いざとなると村人に米を分けてやるのを嫌がり、村人はみな飢えに苦しんでいました。そんな中でも王さまは、宮殿に住む自分たちのためだけに宴会を開こうと準備します。そして米蔵から米が運ばれたとき、わずかに零れ落ちているのを村娘のラーニが見つけるのです。

あわててこぼれる米をスカートで受けながら、ラーニはあることを思いつきます。王さまにその米を返したラーニは、その行いを感心した王さまに褒美を与えられることになり、こうお願いするのです。

「王さまがそこまでおっしゃるなら、こんなふうになさってはいかがでしょう?きょうは、おこめを1つぶだけくださいませ。そして、30にちのあいだ、それぞれまえのひのばいのかずだけおこめをいただけませんか?あしたはおこめを2つぶ、あさっては、おこめを4つぶ、というように」ラーニは、いいました。(本文より)

 

そんなものでいいのかと了承した王さまは、日に日に増えていく米の量にだんだん慌て始めますが、約束通り30日間与え続けた結果、王さまの米蔵の米はからっぽ。そしてラーニは手に入れたおこめを村人全員にわけあたえ、王さまも改心してめでたしというものがたりです。

 

ストーリーはとてもわかりやすく、本文中には具体的な数字がたくさん出てきます。

2日で2粒、3日で4粒、4日で8粒…9日で256粒、12日で2048粒…21日で1048576粒…とうとう30日目には536870912粒の米を、256頭のゾウが運んでくるイラストは圧巻です。ページが屏風式に開くようになっており、そこに無数のゾウと両手を挙げて喜ぶラーニが描かれています。

 

数字が大きくなるにつれ、聞いていた娘はふふっと笑っていました。そして一番最後のページに、どのようにしてお米が増えていったのかが一覧になっており、すごいねーと言いながら一緒に読みました。

 

特にかけざんを勉強している2年生には特にぴったりだったようです。読み終わったあとの娘の感想は、「1粒ずつ足していくのだったら量を増やすのに時間がかかったと思うけど、かけるとあっというまだね!ばいって結構大きいからね」ということでした。もちろん、小学生なら他学年でもよし。大きい桁を勉強している学年なら声に出して読んでもらうのもいいし、実際に計算してみてもらうのも面白そうです。

 

全体のイラストも、インドが舞台ということでとても美しく、登場する動物や人物の衣装などから独特の文化を感じられました。ここから、インドについて調べてみるのもいいかもしれません。実物の米や升、米袋を用意して見せながら読めば、より一層質量を実感できるかもしれませんね。

 

仕事が始まったらいつか読んでみたいです。