こんにちは。ぎばです。
昨日は娘のクラスに読み聞かせに行ったのですが(昨日のブログに掲載しています)、帰宅した娘から嬉しい話を聞きました。
ひとつは、担任の先生が私の意図をちゃんとくみ取ってくださっていたこと。
「この本(ライオンになるには)は、いまのあなたたちにぴったりの本だったね。ちょうど詩の勉強をしたところだし、優しくて、いいことを教えてくれる本だった」と。
ありがとう先生!
わたしの狙いは届いたようです。
もうひとつは、3時間目の図書の時間に、私が読んだ本を借りている子がいたそうな。
「この本家にもほしいなって言ってたよ」とのこと。
こどもの心にもグッときたんだな、という、それが一番うれしかったです。
昨日は公立図書館へ行き、来週の3年生の読み聞かせ用に絵本を二冊借りてきました。
一冊目はこれ。
「おちゃのじかんにきたとら」 童話館出版 1994年第一刷発行
作 ジュディス・カー
訳 晴海 耕平
イラストがかわいいです。私は、絵本は洋書のほうが好き。内容もなかなかシンプルですが、いいな!と思って借りてきました。
おかあさんとソフィーという女の子がお茶の時間にしようとすると、突然ピンポンと誰かが訪ねてきます。ドアを開けると一匹のトラが。
「ごめんください。ぼく とてもおなかが すいているんです。おちゃのじかんに、ごいっしょさせていただけませんか?」
そして一緒にお茶をすることになるのですが、なにしろこのトラ食べる食べる。用意していたサンドイッチやパンだけでなく、家じゅうのありとあらゆる食料を平らげて帰っていくのです。
面白いのが、それで終わりではないところ。
おかあさんは いいました。「どうしましょう。とらが ぜんぶたべてしまって、おとうさんの ゆうごはんが なくなってしまったわ。」
帰宅したお父さんに訳を話し、3人は外食をします。あくる日はスーパーマーケットで食料品を買い込んで、ついでにタイガーフード(キャットフードのトラ版?)まで購入し、帰路に就くのです。
お分かりになりますか?
この物語の一番ちぐはぐなところは、”腹ペコのトラを家に招いておきながら誰も怖がらない。そしてトラもおかあさんとソフィーを食べなかった”という点だと私は思います。
お客がかわいいうさぎやねずみだったら、私はこの本を借りませんでした。
なんというシュールレアリズム!絵本って大人が読んでも面白いなぁと思います。
もう一冊はこれ。
「歯いしゃのチュー先生」 評論社 1991年初版発行
作 ウィリアム・スタイグ
訳 うつみ まお
この本ははじめ、小さい子ども向けかなと思って読み始めたのですが、展開がなかなか面白く、飄々とした訳もいい感じだったので借りてきました。
ねずみの歯医者チュー先生は腕利きです。体の大きな患者も、専用器具を使い治療してあげます。ところが、ねずみなので、猫などの危険な動物はお断り。口の中の治療は危険だからです。
ある日、歯が痛いと言ってキツネの患者がきました。はじめは断ろうとしますが、あまりに痛がっていて不憫に思い、奥さんと相談して治療してあげることにします。
ところがこのキツネ、はじめは礼儀正しいのですが、だんだん歯の痛みがなくなってくるとともに、口元をちょろちょろするチュー先生をどうにか食べられないものか思案し始めるのです。チュー先生もそれに気づき、奥さんと相談します。
最後の治療の日。チュー先生は、キツネの口の中に、抜歯後の金歯をいれてあげます。
キツネは、新しい歯を、なめまわしながら、「いいようだな」と、考えました。「ふたりをくっちゃいけないかな。とても、がまんできないぞ」
チュー先生は、最後に”えいきゅうに歯がいたまなくなる特別な薬”を塗ってあげるというのです。果たしてそれは接着剤のようなものでした。たっぷりと歯に塗ったそれのおかげでキツネは口をひらくことができず、すごすごと帰っていきます。チュー先生と奥さんはにっこり喜んでおしまいです。
お話の途中、雲行きがあやしくなってくると、いつキツネがおそいかかるかとひやひやします。しかしチュー先生たちもそれに気づいている。気づいていながら気づかぬふりをして、治療は最後までしてあげるのです。でも自分たちの身は守る。キツネも、歯の治療はしてもらったわけで、最後は開かない口をどうにか動かし「とも、ありかと」と言ってよろめきつつ帰っていきます。
どちらの絵本も、色遣いや線のタッチがとてもかわいい絵本でありながら、なかなか内容の濃い一冊です。どちらにしようかな、悩み中。
ちなみに小2の娘はトラ推しでした。「おかあさんがなんか変だよ」と笑って聞いていました。